ゴールを死守し、攻撃も演出する守護神たち

青いGKグローブをはめた右手が、黒とグレーの六角形模様が入った白いサッカーボールを空中でキャッチしている様子。背景は濃紺で、上部には大きな白字で「ゴールを死守し、攻撃も演出する守護神たち」、下部には金色の文字で「2024-25プレミアリーグにおけるGKスタッツ徹底分析」と書かれている。 海外サッカー

〜2024-25 プレミアリーグにおけるGKスタッツ徹底分析〜

サッカーという競技において、最も孤独で、そして最も偉大な役割を担っているポジション。それが「ゴールキーパー(GK)」です。
彼らのプレーはしばしば見逃されがちですが、その活躍はチームの命運を左右します。

2024-25シーズンのプレミアリーグもいよいよ佳境に差し掛かる中、今回はGKたちの驚異的なスタッツに焦点を当て、シュートストップからビルドアップへの貢献まで、現代的GK像を丸裸にしていきます。


🔒 ゴールを封じる者たち 〜クリーンシートの王者は?〜

今シーズン、最も多くゴールを許さなかったGKは、ノッティンガム・フォレストのマッツ・セルス選手です。
彼は13試合でクリーンシートを達成し、アーセナルのダビド・ラヤ(12試合)を上回ってリーグトップを独走しています。

月曜のトッテナム戦では記録更新が期待されましたが、リシャルリソンの一撃により、14試合目の完封はお預けに。それでも、勝利(2-1)という結果がセルスの存在価値を物語っています。

3位タイにはジョーダン・ピックフォード(エヴァートン)とディーン・ヘンダーソン(クリスタル・パレス)が並び、それぞれ10試合のクリーンシートを記録。

特筆すべきは、リヴァプールのアリソン。わずか23試合の出場で9回のクリーンシートという高効率ぶりを見せ、マンチェスター・ユナイテッドのアンドレ・オナナと肩を並べています。


🧤 シュートを止める回数で見るGKの忙しさ

ゴールを守る最前線で最も忙しかったGK、それがマルク・フレッケン(ブレントフォード)です。
彼は今季133回のセーブを記録し、他のGKと比べても25回も多い圧巻の数字。

2位にはアーロン・ラムズデール(サウサンプトン)とセルスが108回でランクイン。
その後に続くのがマッズ・ヘルマンセン(レスター・シティ/101回)、ピックフォード(100回)といった顔ぶれです。

ただし、セーブ数が多い=優秀とは限りません。シュートを浴びやすい環境にいるということでもあり、次に重要なのはセーブ成功率です。


🎯 真に止めた割合を示す「セーブ成功率」

ここで注目すべきは、出場時間が500分を超えるGKたちの中で、
最も高いセーブ成功率を誇ったのがダビド・ラヤ。その成功率は驚異の73.5%

それに続くのがセルス(73.3%)フレッケン(73.0%)サンチェス(72.6%)、**アリソン(72.5%)**と、いずれもトップチームを支える守護神たちばかり。

一方で、苦戦を強いられているのがイプスウィッチ・タウンのクリスチャン・ウォルトン。成功率は51.5%と最下位ですが、1試合あたりの被xGOT(枠内期待失点)は2.55とリーグ最高値。つまり、止めるのが非常に困難なシュートを多く浴びているのです。


📉 ゴール阻止数から見る「期待を超えた」GK

“ゴール阻止数”とは、「実際の失点数」から「xGOT(被枠内期待失点)」を引いた数値。
プラスであれば期待以上のパフォーマンスを発揮していることを示します。

今季最もこの数値が高かったのは、なんとディーン・ヘンダーソン(+4.4)
期待された失点が46.35だったのに対し、実際の失点はわずか42。
続くのがエデルソン(+4.2)ヴィカリオ(+4.2)、**セルス(+4.2)**と、いずれもチームの心臓部と呼ぶにふさわしい存在です。

一方、最も数字が悪かったのはバルト・フェルブルッヘン(-5.3)。これは平均的なGKより5点も多く失点していることを意味します。次いでアレオラ(-3.5)、**レノ(-3.2)**と続きますが、決して「下手」なわけではなく、これはあくまで「今季は期待を下回っている」という指標です。


⚽ 足元の技術が光る“第11のフィールドプレイヤー”

現代のGKには足元のスキルも必須。その象徴が**エデルソン(マンチェスター・シティ)**です。

彼は今季、GKながら4アシストを記録し、GK全体のアシスト数(8)のうち半分を一人で叩き出しています。さらに、全てのチャンス創出がゴールに繋がっているのも見事。

セカンダリーチャンス(起点となるパス)の回数では、ラヤピックフォードがそれぞれ5回で最多タイ。

また、**ヴィカリオ(トッテナム)パス成功率88.8%**はリーグトップで、ビルドアップへの貢献度は圧巻です。


🚀 ロングボールとパスの精度

ロングボールの試行回数では、**ピックフォード(776回)**が断トツのトップ。成功率は41.2%と高水準を保っています。

パス成功率が低いGKには、セルス(46.5%)やヘルマンセン(56.0%)などがいますが、これは彼らが主にロングパス主体であることに起因します。
セルスの平均パス成功距離は36.7mと、リーグ最長を記録しています。


🖐️ 手による配球の正確性にも注目

手からの配球(スロー)では、チェルシーのロベルト・サンチェスが最多の159回中153回成功という高精度を誇り、2位のポープ(153回中152回)も素晴らしい精度を見せています。


🎤 終わりに 〜GKは陰の主役から真の主役へ〜

ゴールキーパーという存在は、ミスをすれば責められ、成功しても当たり前とされがちなポジションです。しかし今や、彼らは“最後の砦”であると同時に“最初の攻撃起点”でもあります。

2024-25シーズンのプレミアリーグにおいて、GKたちはチーム戦術の要であり、まさに“ゲームチェンジャー”となり得る存在です。

彼らがどのように進化し、どんな未来を築いていくのか——今後も目が離せません。


📚出典
“Goalkeepers in Focus: The Best Premier League GK Stats in 2024-25” | The Analyst

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