🧭【はじめに】勝者なき戦い、それでも意味ある90分
プレミアリーグ2024-25シーズンもいよいよ大詰め。ヨーロッパ各地でCL権争いや残留争いが加熱する中、スタンフォード・ブリッジでは長年のライバル同士、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドが激突します。
この両雄の対戦カードは、プレミアリーグ史において最も引き分けが多い組み合わせ(通算27回)として知られており、今季の前回対戦(オールド・トラッフォード)も1-1のドロー。果たして今回こそ決着はつくのでしょうか?それとも、またしても“引き分けの呪縛”に縛られるのでしょうか?
🔵【チェルシー】上昇気流に乗るも、負傷者続出で苦境に
✅ ホーム戦では盤石の戦績
まずチェルシーから見ていきましょう。現在の順位はプレミアリーグ5位。4位のアストン・ヴィラとは勝ち点で並んでおり、来季のチャンピオンズリーグ出場権(上位5チーム)獲得の可能性をしっかり残しています。

2025年に入ってからのホーム戦は驚異的で、無敗(7勝2分)を継続中。さらには2025年のホームでの勝ち点(23)はリーグ最多、失点も最少(7点)という圧倒的な安定感を誇ります。
❌ 前節の敗戦と主力選手の欠場
ただし、前節のニューカッスル戦ではまさかの0-2敗北。この黒星は3月16日以来、約2か月ぶりのリーグ戦敗戦であり、良い流れにやや水を差す結果となりました。
さらに、ニコラス・ジャクソンの退場処分により出場停止。攻撃陣の中心の一人を欠くことになります。また、クリストファー・エンクンク、マルク・ギウ、ウェズリー・フォファナ、オマリ・ケリーマンらは負傷離脱中と、チーム全体に負傷者が多く、やりくりが厳しい状況です。
⭐キーマンは“ユナイテッドキラー”コール・パーマー
一方で、攻撃の希望はやはりコール・パーマー。ユナイテッド相手にこれまで3試合で4ゴールと異常なまでの強さを見せており、昨季のスタンフォード・ブリッジ戦ではハットトリックを達成。この数字は、クラブのレジェンドであるエイドゥル・グジョンセンと並ぶチェルシー最多タイの記録です。
彼がこの試合でも輝けば、チェルシーは間違いなく勝利に近づくでしょう。
🔴【マンチェスター・ユナイテッド】未勝利地獄と負傷者の連鎖
📉 まさかの16位転落と泥沼の7戦未勝利
一方、マンチェスター・ユナイテッドは今季大きく失速しています。現在プレミアリーグ16位で、勝ち点は39。トップ5どころか、トップ10入りも危ぶまれる状況です。
前節はホームでウェストハムに0-2で完敗。これにより、リーグ戦では7試合未勝利(2分5敗)。このスランプは1989〜1990年の11戦未勝利以来、実に35年ぶりの長さに迫る勢いです。
さらに悪いことに、今季のリーグ戦17敗はクラブ史上ワースト記録に並ぶ可能性すらあります。
🏥 続出する負傷離脱者
戦績の低迷には、主力の離脱が影を落としています。ジョシュア・ザークツィー、リサンドロ・マルティネス、ディオゴ・ダロトといった中心選手が離脱中。さらには、前節にレニー・ヨロが負傷交代しており、この試合も出場は厳しい見込みです。
加えて、ローン移籍中のジェイドン・サンチョは出場不可。前線から守備まで人材難が深刻で、テン・ハフ監督の苦悩は増すばかりです。
📊【歴史が語る両者の因縁】“引き分け”という宿命
⚖️ 最多引き分け対決の真実
プレミアリーグでのこの両チームの対戦は、通算27試合の引き分けと圧倒的な数を誇ります。これはプレミアリーグ史上最多。今季の前回対戦でも1-1のドローに終わり、勝者がなかなか現れないカードとして定着しています。
さらに、過去7回もホーム&アウェイ両方が引き分けとなったシーズンもあるなど、いかに拮抗しているかが分かります。
また、今回の試合は金曜日開催となりますが、この組み合わせが金曜日に対戦するのは、**史上2度目(前回は2002年の2-2)**という珍しいケースでもあります。
🏟️スタンフォード・ブリッジでの成績
ユナイテッドはこの20年間、スタンフォード・ブリッジではかなり苦戦しており、直近のリーグ戦では1勝のみ(5分5敗)。一方のチェルシーも、ユナイテッドとの直近14試合(全会場含む)でわずか1勝(8分5敗)とこちらも勝ち切れていない状況。
さらに、チェルシーは過去22シーズンのホーム最終戦では無敗(15勝7分)と、ホーム最終戦での圧倒的な強さを見せており、今回もその流れを維持したいところです。
📌【注目ポイント】試合のカギを握る5つの視点
① パーマー vs ブルーノ、創造性と得点力の対決
攻撃陣の主役となるのは、チェルシーのパーマーとユナイテッドのブルーノ・フェルナンデス。ブルーノは全大会通算で36の得点関与(19G/17A)を記録しており、リーグトップのモハメド・サラー(56)に次ぐ数字です。
ただし、プレミアリーグだけで見ると8G/9Aと、やや数字は落ちています。チェルシーが中盤を制圧できれば、ブルーノの影響力を減らすことが可能です。
② 中盤のプレス強度
カイセド、エンソらが中盤を担うチェルシーは、プレスとカバーエリアでユナイテッドを上回ることが予想されます。ユナイテッドはこのエリアで簡単にボールを失う展開になると、一方的に押し込まれる可能性が高まります。
③ セットプレー
両チームともに守備の要が不在で、セットプレーのマークが甘くなる恐れがあります。特にコーナーからの失点が増えているユナイテッドにとって、パーマーのキックは警戒ポイントです。
④ 戦術 vs 戦意
チェルシーは戦術面で整備が進んでいる反面、ユナイテッドはもはや“精神論”でしか乗り切れない部分もあります。トッテナムとのヨーロッパリーグ決勝が控える中、リーグ戦にどれだけモチベーションを注げるかが鍵です。
⑤ スタンフォード・ブリッジの雰囲気
チェルシーはホームでの熱狂的なサポートを受け、毎年最終節は特に一体感が高まります。この雰囲気が、未勝利続きのユナイテッドをさらに追い詰めることになりそうです。
📝【まとめ】今度こそ決着なるか?歴史の重みに挑む一戦
今回のチェルシー vs マンチェスター・ユナイテッド戦は、単なる上位 vs 下位の構図ではありません。過去の因縁、引き分けの多さ、そして両チームの置かれた立場の違いが複雑に絡み合う“ドラマ性”に満ちた一戦です。
チェルシーはトップ5入りを目指し、ユナイテッドは意地とプライドをかけて。この一戦がプレミアリーグ2024-25シーズンの中で、最も印象に残る試合となるかもしれません。
今度こそ、引き分けの呪縛を破る勝者が現れるのか──。注目です。
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