2024-25シーズンのプレミアリーグもいよいよ終盤戦に突入し、優勝争いとともに、各クラブの“過去最高”の記録にも注目が集まっています。中でも注目したいのは、クラブ史上最高の勝ち点を更新する可能性を秘めた中堅クラブたちの奮闘です。
ボーンマス、クラブ史上最高勝ち点を更新！
すでにクラブの記録を塗り替えたのが、アンドニ・イラオラ監督率いるボーンマスです。第33節、敵地でのクリスタル・パレス戦をスコアレスドローで終え、勝ち点を49に伸ばしました。これにより、昨季の記録（48ポイント）を1ポイント上回ることに成功しました。
この結果、プレミアリーグにおけるボーンマスの“最多勝ち点シーズン”が確定しました。ただし、彼らにはまだ5試合が残されており、記録のさらなる更新も期待できます。今後は欧州カップ戦出場圏内へのチャレンジが次なる目標となるでしょう。
クリスタル・パレスとフラムも記録更新間近
ボーンマスに続きそうなのが、クリスタル・パレスとフラムの2チームです。
クリスタル・パレス：グラスナー体制実質1季目で記録更新へ
オリヴァー・グラスナー監督の下で好調を維持しているパレスは、現在の勝ち点が44で、過去最高である49ポイントまであと5ポイントに迫っています。この49ポイントという記録は、1992-93、2018-19、2023-24シーズンの3度にわたって達成された数字です。
特に1992-93シーズンの49ポイントは、当時のプレミアリーグが42試合制だったとはいえ、降格クラブとしては最多勝ち点という珍しい記録でもあります。今季はグラスナー監督の手腕によって、よりバランスの取れた戦術が浸透しつつあり、パレスにとって記録更新は手の届く目標となっています。
次節はアウェーでアーセナルと対戦します。難敵ではありますが、ここで勝ち点を積み重ねることができれば、歴史に新たな1ページを加えるチャンスとなります。
フラム：シウバ体制で堅実に躍進
マルコ・シウバ監督の下で、今季も安定した成績を収めているフラムは、現在の勝ち点が48で、2008-09シーズンにロイ・ホジソン監督の下で記録したクラブ最多の53ポイントに迫っています。
残り試合は5つ。次節は最下位に沈むサウサンプトンとの一戦ですが、油断はできません。なぜなら、今季サウサンプトンが獲得したわずか11ポイントのうちの1つが、昨年12月のフラム戦でのスコアレスドローによるものだからです。
それでも、現在のフラムには冷静さと自信があります。シウバ監督が構築した堅守と流動性の高い攻撃が、記録更新への追い風となることでしょう。
一方で、記録的な不振に沈むクラブも……
シーズン終盤に向けて明るい記録更新の話題がある一方で、不名誉な記録が話題となっているクラブも存在します。
レスター・シティ：奇跡からの転落
今季最大の失望と言っても過言ではないのが、レスター・シティです。週末のリヴァプール戦に0-1で敗れたことで、早くも降格が確定しました。これは、2015-16シーズンに奇跡のリーグ優勝を果たしたクラブとは思えないほどの落差です。
当時の優勝シーズンに獲得した勝ち点は81でしたが、今季の勝ち点はその63ポイント下となっており、優勝からわずか9年でのこの転落劇はサッカーの残酷さを如実に物語っています。
マンチェスター・ユナイテッド：暗黒期の深まり
もう一つ、低調な成績で注目を集めているのが、マンチェスター・ユナイテッドです。新指揮官ルベン・アモリム監督の下で再建を目指していますが、今季の勝ち点は38ポイントにとどまっており、プレミアリーグ時代でワースト記録が確定してしまいました。
仮に残り5試合を全勝しても勝ち点は52が最大となります。1993-94シーズンのクラブ史上最多となる92ポイントから実に54ポイントもの開きがあります。プレミア創設後のベストシーズンである1999-2000年の91ポイントと比較しても、その差は37ポイント。クラブの復活にはまだ時間がかかりそうです。
まとめ
プレミアリーグの華やかな舞台では、優勝争いや欧州カップ戦出場権争いだけでなく、各クラブが歩んできた歴史との“戦い”もまた見どころのひとつです。今季のボーンマス、そして記録更新が迫るクリスタル・パレスとフラム。彼らの挑戦が、新たなクラブ史に名を刻む瞬間となるか注目したいところです。
そして同時に、レスターやユナイテッドのように、過去の栄光からの転落もまたフットボールの一面です。栄光と挫折が交差するこのプレミアリーグという舞台だからこそ、私たちは心を揺さぶられるのです。
出典：The Analyst「Which Clubs Could Break Their Premier League Points Record in 2024-25?」
コメント